睡眠時無呼吸症候群とは
眠っている間に呼吸が止まってしまう状態のことです。睡眠時に10秒間の呼吸停止が1時間で5回以上、または7時間で30回以上ある場合に診断されます。日本ではおよそ200万人の方は睡眠時無呼吸症候群だといわれております。特に肥満傾向にある30歳~60歳の男性に多く見られます。
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群は、空気の通り道である気道が完全もしくは不完全に閉塞することにより起こります。肥満の人に多いことは良く知られていますが、扁桃腺の肥大、口蓋垂(のどちんこ)が長い、舌や軟口蓋の肥大が認められる人でも気道が狭くなっています。それ以外にも首が短くて太い人、下顎が小さく後退している人、そして日本人を含むアジア人は、もともと気道が狭く閉塞しやすい骨格を持っています。このため、日本人の睡眠時無呼吸症候群の約3割は肥満を合併していないと言われています。起きている時には、気道が狭くならないように気道周囲の筋肉が緊張しています。睡眠中はこれらの筋肉の緊張が緩み、さらに顎の骨や舌が重力に逆らえずのどに落ち込むため、気道が狭くなっていびきをかきます。このような状態で息を吸うと、気道は内側に吸い寄せられて、なお一層狭くなり、ついには閉塞して呼吸が止まってしまいます。その後、酸素が足りなくなって苦しくなると覚醒反応が起き、気道周囲の筋肉の緊張が回復して呼吸が再開します。睡眠時無呼吸症候群では、何度もこのような睡眠、覚醒を繰り返しています。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状として特徴的なのは、空気が狭い気道を通る時の摩擦音がすること、いびきが途中で止まることです。いびきは呼吸が止まる時に同時に止まります。
呼吸が数十秒停止した後、再開と同時にいびきを再びかき始めます。
睡眠不足になるため、起きている時にも色々な症状が出ます。
このような症状はありませんか?
- いびき
- ED(勃起不全)
- 寝汗をかく
- 起床時の頭痛
- 集中力低下
- 寝不足
- 高血圧が良くならない
- 日中の眠気
- 足のむくみ
睡眠時無呼吸症候群の合併症
睡眠時無呼吸症候群では、呼吸が停止して低酸素血症になり、交感神経の緊張状態が続くため、下記のような病気にかかることもあります。
このような症状はありませんか?
- 高血圧
- 逆流性食道炎
- 肝障害
- 糖尿病
- 発育不全(小児)
- 脳血管障害
- 認知症
- 不整脈
- うつ病
- 虚血性心疾患
- 脂質異常症