昨日の日進市の花火大会で,予定されていた福島の花火が一部の市民からの抗議で打ち上げられなかったというニュースがありました。東日本大震災の被災地復興を応援するはずが,新たな風評被害を作ってしまい,被災地の方々には逆に不愉快な思いをさせてしまったのは残念なことです。さらに,日進市が新たな風評被害の発信地として全国的に知れ渡ってしまい,日進市のイメージダウンも計り知れないものがあります。

なぜ,このような風評被害が後を絶たないかというと,やはり情報不足から沸き起こる不安感が,個人によってはかなり大きなものになってしまい,過敏に反応してしまうということだと思います。

主催者側は,8月の京都五山の送り火で,陸前高田の松が使えなかった事例から学ぶべきでした。心配した市民からの問い合わせには,放射能測定値や専門家の安全だという意見をもって答える準備をすべきでした。

普段,診療をしていても,患者さんが受診される症状の程度には,かなり個人差があります。少しの擦り傷で来院する方もいれば,出血が止まらなくてやっと来院する方もいます。これは,人によって,心配の閾値が異なることが原因で,医療者は,普段から個々の心配の閾値を推し量り,いざという時に備え,必要な情報と情報の解釈の仕方を十分に提供しておく必要があります。

患者さんとは,なるべく時間をかけてお話しし,病状だけでなく普段気に留めていらっしゃることも十分に把握できるよう,努めて参ります。

平井クリニック